大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成3年(行コ)112号 判決 1992年11月30日

控訴人(原告) 浜田耕太郎 外三名

被控訴人(被告) 竹内藤男 外一名

主文

一  本件控訴をいずれも棄却する。

二  控訴費用は、控訴人らの負担とする。

事実

一  控訴人らは、「原判決中被控訴人らに関する部分を取り消す。被控訴人らは連帯して茨城県に対し、四億二七四一万八八九二円及びこれに対する昭和五八年四月一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。被控訴人竹内藤男は、茨城県に対し、二億五七五四万八〇〇〇円及び内二億二一五四万八〇〇〇円に対する昭和五九年四月一日から、内三六〇〇万円に対する昭和六〇年四月一日から支払済みまでそれぞれ年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴人らは主文同旨の判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠関係は、原判決事実摘示並びに原審及び当審訴訟記録中の各証拠関係目録記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  当裁判所も、控訴人らの本訴請求はすべて理由がないから棄却されるべきであると判断するものであるが、その理由は、次に加えるほかは、原判決の理由説示と同一であるからこれを引用する。

原判決五二枚目表八行目「いわなければならない。」の次に、改行のうえ、

「のみならず、控訴人らが請求原因2(三)の(1)ないし(5)で主張する本件道路の必要性や都市計画上の優先性の不存在、事業効果や他の案、目的からみた不当性などは、いずれも知事の行政裁量に属する事柄であって、それ自体当不当の問題はあっても特段の場合を除いては本件道路開設事業の違法の問題を生じないことは明らかである(しかも本件全証拠によるもそのような特段の事情を認めるに足りない。)。さらに、同(6)、(7)で主張するところもそれ自体では本件道路開設事業の違法をもたらすような瑕疵には当らないことは明らかであるから、仮に本件道路開設事業(本件道路の道路区域変更決定)が本件道路用地の買収、収用及び道路建設事業の各費用支出の原因となっていると前提したとしても、控訴人らの主張は主張自体失当であるといわなければならない。」を加える。

二  そうすると、これと同旨の原判決は相当であって、本件控訴はいずれも理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山下薫 並木茂 豊田建夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例